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March 29, 2018

『サビカス キャリア・カウンセリング理論』

 最近のアドラー心理学の動きは、『嫌われる勇気』に始まる爆発的な大衆化がまずありますが、その他に実はカウンセリングの世界でも静かに浸透しています。
 
 その代表的なものがキャリア・カウンセリングの分野。
 
 近年第一人者として注目されているのがマーク・サビカスという研究者、実践家です。アドラー心理学をベースにしたキャリア・カウンセリングの方法を開発したことで知られています。日本でも何冊も翻訳されています。
 
 
 アドラー心理学のライフスタイル・アセスメントをやや簡略にしながらも、クライアントが自分の仕事のタスクにどう取り組んで、仕事人生(キャリア)を作っていくかを援助するものです。
 注目すべきは、「早期回想」という子ども時代の思い出を使って、クライアントが自分のことをどうイメージしており、何を目指しているかを明らかにする技法を取り入れているところです。
 
 アドラー心理学のカウンセリングを学んだ人には、おなじみの技法です。ただ、学んでいない人には、ややわかりにくいところかもしれません。
 
 拙編著『思春期・青年期支援のためのアドラー心理学入門』(アルテ)でも紹介させていただきましたが、サビカスの方法は、仕事のタスクを考える際に大変有効だと思います。
 
 ただ本書の不満は、サビカス自身はアドラーにきちんと言及しているにもかかわらず、監訳者たちは「ナラティブ」「社会構成主義」といった最先端めいた流行の概念については言及しても、アドラー心理学については一言も触れず、訳語もテキトー(「幼少期の思い出」など)であることです。
 
 理論に対して学術的であろうとするなら、ちゃんと跡付けてほしいものです。
 
 それ以外は、実践家向けです。キャリアの問題にかかわるカウンセラーは、ぜひ参照して、できれば実際に学んでほしいと思います。
 

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