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June 10, 2018

『「気になる子」のいるクラスがまとまる方法』

 前記事は精神医学からみた不登校対策の本でしたが、これはアドラー心理学からのアプローチです。

 アドレリアン教師にはおなじみ、あの赤坂真二先生の『「気になる子」のいるクラスがまとまる方法!』(学陽書房)です。

 本書には不登校も発達障害にも特に言及していませんが、対象にしているのは明らかにその可能性やリスクのある子どもたちです。

  赤坂先生も、そういう子どもに対しても対応可能な方法を示していることを、「専門的見地から見てもそう的外れなことは言っていない」とそれとなく言っています。本当にその通りの内容になっています。

 実は本書はアドラー心理学にも表立って言及していませんが、内容はまさにそのものです。

 本書では、“気になる子”が「発達障がい」であろうとなかろうと、学級におけるひとりの「居づらさを感じがている」子どもと捉えます。“気になる子”の問題を「障がい」で見るのではなく、「居づらさ」から見ます。学級担任が、彼らを含めて学級をまとめていくにはどうしていったらよいのかを示していきたいと思います。 p16

 と述べている通り、問題や症状を「個」の問題として「個別支援」の対象とするだけではなく、学級の力を育てることで、その気になる子どもの問題を解消することができるはずです。それができたら素晴らしいと思う。

 “気になる子”の「気になる行動」にともなう問題の多くは、行動そのものにあるのではなく、周囲の子どもとの人間関係にあるのではないでしょうか。彼らの「気になる行動」によって、周囲の子どもたちと人間関係上のトラブルを生じ、それが「居づらさ」や「困り感」になっているのではないでしょうか。“気になる子”の問題をすべて「個の問題」に帰するのではなく、もっと周囲との関係性から見ていいのではないでしょうか。個別支援で解決の糸口が見えないならば、もっと積極的に学級の子どもたちの力を活用したらどうでしょうか。多くの“気になる子”の問題の解決は、実は、学級の人間関係づくりにあるのです。 p3

 これは「一人の心を大事にする」とうたいがちな臨床心理士やスクールカウンセラーが陥りがちな盲点を見事に指摘していると思います。

 私たちカウンセラーは、勝手な解釈と先生たちにできないことを求めるようなコンサルテーションをしていないか自問してみる必要があるかもしれません。

 個か集団かではなく、個も集団もバランスよく大事にするにはどうすればいいか、教師だけでなくカウンセラーにとっても示唆に満ちた、わかりやすく、実践的な本です。

 さすがです。

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