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August 05, 2018

『催眠をはじめるときに知っておきたかった101のこと』

 東京のヒューマン・ギルドでは、毎年恒例のジョゼフ・ペルグリーノ博士のWSが連日行われて、大入りのようですね。

 今年は物理的理由で参加をあきらめましたが、アドラー心理学を学んでいる人たちが本物のアドレリアンに触れてくれたのはうれしいです。来年は博士にお会いしたいです。

 私は3日(金)に山梨県中央児童相談所で、「養育里親更新研修」の講師をしました。里親さんたち10人に3時間半、発達心理学の基礎と勇気づけをお伝えしました。

 さて、この夏に読んだ本を随時紹介していきます。

 ダブニー・ユーウィン著『催眠をはじめるときに知っておきたかった101のこと』(福井義一訳、金剛出版)は、催眠を実際に臨床に使うときのちょっとした言葉の配慮や使用上のコツを、キーワードとアフォリズム的な文章で簡潔に説明してくれています。

 文字数が少ないので、すぐに読み終えるでしょう。

 普通のコミュニケーションでもそうですが、催眠をかけるときはとりわけ言葉の選び方に慎重でなければなりません。思わぬマイナスの暗示をかけてしまうかもしれないからです。本書では、手術中に麻酔を受けている患者のそばで医師が不用意なことを言ってしまって、それが悪い暗示になってしまった例を出しています。

 私は本書で、楽しく、大事なことを教わった感じです。

 著者はアメリカの外科医で、火傷の治療や、なんと手術で催眠を使うこともあるそうです。アメリカではミルトン・エリクソンに並ぶ高名な人らしいです。

 手術で麻酔の代わりに催眠なんて、私にはこわくてとてもできない。

 本書の中でフロイトのことにも触れていて興味深いので、メモしましょう。

「夢は無意識に至る王道です」(Freud, 1990)

 私は想像力(白昼夢)が催眠への鍵だと思っているので、「催眠は無意識への王道です」と書き換えましょう。フロイトは催眠からキャリアを始めましたが、キャリアの早期に諦めました。彼は誘導がとても苦手で、直接暗示だけしか使わないときの成功率に満足できなかったのです(kline, 1958)     p66

 古典的な催眠の時代だったせいもあるかもしれませんが、フロイトはとても権威的な催眠のかけ方で下手だった(「眠れ!」みたいな)と私も聞いたことがあります。

 催眠への劣等感の補償として、精神分析学ができたのかもしれませんね。

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