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September 12, 2018

『可能性のある未来につなげるトラウマ解消のクイック・ステップ』

 ブリーフセラピーやエリクソン催眠の視点からトラウマを扱うときの格好の参考書です。

 ビル・オハンロン著、前田泰宏監訳・内田由香里訳『可能性のある未来につなげるトラウマ解消のクイック・ステップ 新しい4つのアプローチ』(金剛出版)

 私はオハンロンさんが好きで、ワークショップにも出たことがありますし、これまで何冊もここで紹介をしてきました。本書はトラウマ治療に焦点を当てていて、いつものやさしいオハンロン調を感じられて、とても気持ちよく読めました。

 トラウマを解消するためには、そのトラウマになった過去と向き合い、何度も追体験することが必要だとされてきた。その追体験の過酷さから、トラウマを克服するのは困難だとされてきたのだ。

 本書は、オハンロンが「解決志向」「未来志向」「可能性療法」「インクルーシブ」「スピリチュアリティ―」「エリクソニアン催眠」「ストレングス」「ポジティブ・サイコロジー」といった枠組みや概念を通じて提示してきた臨床に関する豊かなアイデアや手法をトラウマ解消のために生かした、臨床家向けの実践書である。(表紙裏解説より)

 特に未来志向のところは、アドラー心理学のセラピストも十分に活用できると思います。オハンロンさんはフランクル(この人もアドラーの弟子だった)のエピソードを引いた後、いいます。

 セラピーでは大抵(時間と因果関係に関するほとんどの西洋の概念では)、私たちは過去が現在を作っているという考えを持っています。私は、未来(あるいは少なくとも、私たちの想像上の未来)は、現在に対してかなり大きな影響を及ぼしていると提言します。 p60

 アドラー心理学の目的論と重なるのは明らかです。トラウマ治療をする前に、本書をちょっと開いて目に入ったとこを読むだけで、セラピストは勇気づけられると思いますよ。

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