日本催眠医学心理学会に参加
11月23日(金)~25日(日)、東京・六本木の東洋英和女学院大学大学院で行われた「日本催眠医学心理学会第64回大会」に参加してきました。回数を見てもわかるように、日本の学会の中でも最古参に入るところです。
初日は催眠技法研修会、私は上級特別コースに申し込みました。日米にわたる臨床催眠の第一人者、マインドフルネス瞑想法の著作でも知られる大谷彰先生(元メリーランド大学シニアサイコロジスト)が講師なので、絶対受けたいと参加しました。

大谷先生は、催眠のニューロサイエンスの知見、技法を適用する上での心構えとコツなどを教えてくださいました。特に興味深かったのは、催眠と瞑想の体験の違いは脳科学からも裏付けられることをお話しされたところです。
催眠と瞑想は、似ているようで違う、違うようで似ている、誰もが思うけど、それをどう考えるべきか、何に由来するのかは長い間難問でした。それが最近のニューロサイエンスの発展で何とか見通しがついてきたようです。
そう、そう、大谷先生はシンポジウムでの催眠技法の解説のとき、アドラー心理学の「as if テクニック」についてもお話ししてました。思わず終了後の懇親会で先生に近づき、「実はアドラーやっているんです。取り上げてくれてありがとうございます」と言ったら、「モサックが書いてあるからね」とこともなげにおっしゃっていました。さすが、何でも知ってらっしゃると感銘しました。
ちなみにこの「as if テクニック」は、『臨床アドラー心理学のすすめ』で私が解説しています。
また、アドラーとフロイトの同時代人、ピエール・ジャネの再評価のシンポジウムでは、発表者から、ジャネの「不全感」という概念は、アドラーの「劣等感」に影響を与えたと見られ、実際にアドラーは「自分の仕事が、ジャネの観察の発展であると謝辞を記載している」という話がありました。
アドラー心理学はフロイトの精神分析の影響下にあるというしつこい論調がありますが、むしろジャネに近い可能性がうかがえました。実際ジャネの臨床の特徴の中には、「未来志向と生活臨床」というのがあったとのことで、アドラー心理学にかなり重なりそうです。
他にもVR(virtual reality)のシンポジウムがあって、ここまでテクノロジーは来たのかと大変驚き、面白かったです。今やVRはアメリカでは歯科治療やリハビリ、医学教育で使われ、心理療法ではイメージトレーニングや暴露反応妨害法に使われ始めています。確かに下手なイメージトレーニングより効きそうです。
私もVRの体験が実はあるのですが、内容によっては人の意識にとても大きな影響を与える可能性があると思っています。
マトリックスの世界が近づいているかもしれません。
そして、VRの体験は確かに編成意識を生じさせるが、果たして催眠か否か、催眠とは何か、改めて新しい議論を巻き起こしそうです。
と、なかなか専門的というか、マニアックな内容でしたが、3日間とても楽しかったです。今はこじんまりした小さな学会ですが、これから面白くなりそうな予感です。
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