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March 29, 2019

『神道入門』

 最近の私の関心の一つは、アドラー心理学でいうと、スピリチュアル・タスクです。

 人類の文明、文化には不可欠のものであり、人間の普遍的な欲求や傾向性でもあるスピリチュアリティをどうとらえるか、アドラー心理学の観点から考えることを自分に課そうとしています。

 臨床心理学とスピリチュアリティというと、普通はユング心理学が浮かびますが、最近は認知行動療法系も抜け目ないというか、マインドフルネス瞑想を通して意識にアプローチしたり、ACTだったか、価値や生きる意味を問うみたいなことを堂々と言うようになってきています。

 特に日本人にとってのスピリチュアリティを考えるとき、まず出てくるのは仏教です。仏教の精緻な理論や修行法は、古代から現代まで膨大な数の人々を魅了し、その才能が注ぎ込まれてきました。時の政治権力も常に仏教を庇護し、育ててきました。

 アドラー心理学の指導者級の人たちも、先ずは仏教を基に自らのスピリチュアリティへの取り組み、思索を表明してきたと思います。

 しかし、仏教そのものは外来の思想であることも間違いありません。しかも日本の仏教は元々の仏教とは変質していて、それ以前、おそらく縄文時代から人々の心の底に流れて続けてきた「日本思想」とでもいえる何かわけのわからないものと融合して独自の展開をしてきたことは周知のとおりです。

 そのわけのわからないものが、「神道」です。

 私はここに焦点を当ててみたい。しかし、学術的に宗教学を修めたわけではないので、素人研究の域を出ないのですが、アドラー心理学が日本に土着化していく中で、神道や神道的なものを理解しないのは極めて不十分だと思います。

 そこでとっかかりに

 新谷尚紀『神道入門ー民族伝承学から日本文化を読む』(ちくま新書)

 を読んでみました。わかっているようでわかっていない神道のアウトラインをつかむにはとても良いと思いました。

 日本書紀の神道から古代神道、中世、近世、そして明治以降の国家神道まで、民俗学と文献学の視点から展望できます。

 また、現在日本の神社を統括している神社本庁は実は戦後設立された一宗教団体にすぎず、私は、名称からあたかも公的機関であるかのような素朴な誤解をしていたことを知りました。

 これから本書からも、興味深いところをメモしていきたいと思います。

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