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November 28, 2019

『不登校・ひきこもりのための行動活性化』

 前記事のように『不登校に向き合うアドラー心理学』という本を出しましたが、実際の現場では学校とどう付き合うか、登校刺激をするべきかどうかが議論になります。

 アドラー心理学では、登校した方がいいとかよくないとか、登校刺激をするべきか否かということに一律に答えが出るものではないと考えると思います。あくまでその子どものニーズと家族の意向に沿って、学校との関係を整理しながらかかわっていくことになります。

 それでも私はスクールカウンセラーの時は学校側の人間でもありますから、登校できるとしたらどういう時か、どうしたら再登校してもらえるかを考えて、家族に提案することが多くあります。

 その時に大事なのは、精神論にならず具体的に助言すること。こういう時によく言われるのは、「今は充電中だから、心のエネルギーがたまってくるまで待ちましょう」という言い方です。温かく見守っていけば、自然に子どもの中に力がわいてきて、新しい行動に向かう意欲が増すかもしれないという発想でしょう。

「心のエネルギー」は確かに良いメタファーだと思いますが、よく考えると「心のエネルギーってなんだ?」「エネルギーがたまってきたってどうしたらわかるの?」という疑問もわいてきます。もっともです。

 そういう時に参照できる良書が、

 神村栄一著『不登校・ひきこもりのための行動活性化』(金剛出版)

 著者は著名な認知行動療法家です。認知行動療法は本来筋金入りの科学主義、客観主義ですから、本音では心のエネルギーなんて曖昧な言葉は使いたくなさそうな感じですが、それを逆手にとって、行動レベルで心のエネルギーなるものを理解し実践するためのノウハウがたくさん説かれていて、特に再登校を目指す時にはすごく参考になります。

 著者は基本的には子どもは学校に行った方が良い、その方が後で後悔が少ないという立場のようです。データを示してそれを主張しています。それももっともなところはあります。学校がまともでそれなりに良いところがあるなら、やはり子どもが通ってくれた方が親にも本人にも良いに決まっています。

 また、睡眠やゲーム依存についても、現在の普通の臨床現場で可能なことを書いています。

 今年の5月に出た本で、私は自分の本の原稿を仕上げた後だったので取り上げることができませんでしたが、間に合っていたら間違いなく引用文献に入れていたでしょう。

 不登校に関わるスクールカウンセラーや教師の方は是非学んでみてください。

 

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