C・W・ニコルさん死去
作家で環境保護活動家で知られるC・W・ニコルさんが3日、79歳でお亡くなりなったというニュースがありました。SNSでもテレビでも流れました。外国人の日本在住の作家として、もっとも著名な方だったと思います。
一般には肩書にあるように環境保護活動家のイメージが強いニコルさんですが、私にとっては、ニコルさんが若い頃空手の修行のために来日して、その経験を記したことが記憶に残っています。
その体験談を書いた本があるのですが、タイトルは確か『私のニッポン武者修行』だったと思いますが、昔やっと図書館で見つけて読んだ記憶があります。
その本には私の師匠の師匠、王樹金老師がメチャクチャ強い脅威の武道家、という感じで出ているのです。
王樹金老師は、日本に初めて太極拳を伝えた人です。中国・天津出身でしたが、戦後国民党と共に台湾に移住、蒋介石政府の推薦で日本に中国武術を伝えるために来日していました。
手元に本がないので記憶で書きますが、本の中では、王樹金老師は確かワン先生という名で登場していました。
ニコルさんが若い頃空手留学のために来日して、日本空手協会の中山正敏先生の道場で寝泊まりしていた時、ある朝ドーン、ドーンというすごい音が鳴り響いて建物が揺れ、「地震か!」と驚いて飛び起き階下に降りたら、そこに道場の太い柱を打っているワン先生がいたという出会いから始まります。(多分、発勁とか寸勁とか呼ばれる触れるぐらいの短距離で力を伝える練習をしていたのでしょう)
初めて見る太極拳のゆったりした動きは、ニコルさんが修行していた空手と全く違っていて、後の著書に記すくらいですから強い印象を持ったようでした。
そしてさらにニコルさんが驚いたのはワン先生の強さ、当時50歳を超えていたと思われるのに、20代の屈強な空手家たちがかかっていってもすべて跳ね返してしまいました。その時代、ニコルさん以外に海外からの空手留学生たちがいたそうですが、彼らが挑んでも歯が立たない。(これはニコルさん以外に、当時の王樹金老師を目撃した人たちの証言とも一致します。その挑戦者の中にはアメリカの武道研究家のドン・ドレーガー、極真空手のジョン・ブルミンもいたと本書か別の人の記録で目にしました)。
普通人生を賭けた空手留学に来ていれば、空手のことばかり書くのでしょうけど、その中でその対極のような太極拳やワン先生もしっかり好意的に記すところに、作家としての客観性、人としての度量を感じました。
そして何年か前、ニコルさんは私が所属する道場に招かれ、私の先生と対談され、王樹金老師の思い出話をされたようです。その時の写真を拝見したことがあります。
お隣の長野に住んでらっしゃったし、お名前はいろいろな機会で聞いていたので、いつかお訪ねしたいと思っていました。
日本を愛してくれた骨太の武道家でナチュラリスト、エコロジスト、しかし日本は彼を受け入れながらも、彼の心配や提言は受け入れず、自然破壊や競争社会を突き進みました。
アフターコロナの世界があったら、きっとニコルさんの業績が再評価されるでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。
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