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January 13, 2021

大乗仏教とは

『集中講義 大乗仏教』(NHK出版)には、「大乗仏教は、本来の釈迦の教えとは異なる別個の宗教である」とあります。

 著者の佐々木閑先生は、それを別に否定しているわけではありません。

 本来一つであったお釈迦様の教えがいくつにも分かれていったことを「よくないこと」と感じる人もいるでしょう。しかし、様々な選択肢を含んだバラエティ豊かな宗教になったことで、仏教がより多くの人を救えるようになったと考えれば、逆にプラスととらえることもできるのです。 p27

 もし釈迦入滅後、徐々に分派していった部派仏教から、釈迦の言うことを無視したかのように仏教が展開しなければキリスト教やイスラム教に並ぶ大宗教になることはなかったということです。そして、古代インドの時代からどんどん経典が捏造ならぬ「創造」されていきます。

 長い歴史のどこかで「昔から伝わっているお経には書かれていないけれども、論理的に正しければ、それは釈迦の教えと考えてよいのではないか」と主張する一団が現れます。
 これはつまり、「今までにない新しいお経を作って、それを釈迦の教えとして広めてもよい」ということですから、この考えが一度認められてしまうと、もう流れを止めることはできません。それまではなかった新しい考えを、釈迦の教えとして主張する人が次々に出てきて、いつの間にか全く異なる仏教世界(大乗仏教)が誕生することになったのです。 p29

 論理的に正しければ仏教にしちゃおう、という鷹揚さが仏教の特徴かもしれません。それが日本では神道というさらにゆるい民俗宗教と融合して、世界にまれな独特な姿になったのでしょう。

 本書は代表的な経典と宗派の歴史と論理を明快に解説していて、面白いです。

 臨床で瞑想をクライアントに教えたり実践する人は最近増えていると思いますが、仏教の思想についても最低限の知識を持っていた方がいいと思います。いまやアメリカ人の方が仏教について詳しい状況ですよ。

 

 

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