信長の診断名は?
織田信長は強烈な個性を放っているために、後世さまざまな解釈がなされてきました。
歴史家、一般の人は「天才」の一言ですませがちですが、「心がひねくれた」我々心理屋、精神医学関係者はそこに病理性も見ます。
信長は確かにIQは高かったでしょうが、どう考えてもまともな人には感じられないからです。
最近YouTubeに上がっていた歴史番組に、精神科医の岡田尊司氏が興味深い見解を述べています。
【BS11』偉人・敗北からの教訓「織田信長・驚愕!本能寺の変には伏線が!」2023年6月3日放送分見逃し配信
信長は、本能寺の変だけでなくそれまでも何度も裏切られており、しかも相手がなぜ裏切ったかを理解できなかったらしいことなどから岡田氏は、「現実より大きな自己を自分だと思い込む」「人の気持ちを理解する、読み取る力が弱いこと」「自分中心に全部考えて、周りの人を称賛者あるは自分の好きなように利用することのできる道具のような存在とどちらかに見てしまう」というところは自己愛性パーソナリティ障害、「既存の権威を何とも思わない、蹴散らかしてやろうとする」ところは反社会性パーソナリティ障害を疑っています。
私は前にも述べたように、自閉スペクトラム症を考えていて、共感性が乏しいところはこちらの方が当たっている気がします。
確かに、成し遂げた驚くべきエネルギー量を考えると、パッションや恨みをバネにするパーソナリティ障害的なところもうかがわれます。
ただ、自閉症的な人にもビル・ゲイツはじめ、IT産業など、リーダーとなって独特な活躍をする人もいるから、そちらもあり得ると思います。
もちろん会えるわけはないのでわかりませんが、こういう思考実験は楽しく、アセスメントの良い練習になります。
動画は6月26日までの配信なので、興味のある方はお見逃しなく。
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