心のケアにインフラ整備は不可欠
今、元旦に起きた能登半島地震で多くの医療チームが派遣されています。
私がSVをしている精神科病院でも、スタッフが交代で珠洲市などの能登半島に出向いていました。
私はその前、2007年の能登半島地震の時には県職員でしたので児童精神科のチームの一員として派遣されました。
2011年の東日本大震災でも宮城県と岩手県に2回、精神科チームとして参加したこともあります。
緊急支援はけっこう経験しているのです。
今の私は、とても能登まで行く余裕がないのですが、体力も必要なことなのでここはやはり若い人たちに頑張ってもらいたいところです。
このような現地での活動はもちろん現在絶対必要なことですが、時には何でこのような被害に至ったかを考えることも必要です。
現場ではミクロな視点ですが、もっと引いたマクロな視点も大切です。
私は京都大学の藤井聡教授の提言に注目しています。
次の動画をご覧になってください。
【東京ホンマもん教室】 能登半島地震と「緊縮」の大罪“人災”は強靭化で乗り越えろ!
要約します。
藤井氏は、今回の被害の多くは社会経済的、土木工学的に事前に備えることができたし、そうすれば被害をもっと抑えられただろうと説きます。
被害が大きくなった理由の一つは、能登半島における道路整備の貧困にあるのです。
この地域は、七尾市を中心に道路網ができているものの、高速道路はそこから先はないそうです。輪島市にも延ばす計画はあったものの、完成に至らず、珠洲市には計画さえもないみたいです。
高速道路は高規格道路といって耐震性が高く、地震に対して強靭です。
実際今回も、地震のあった1月1日には高速道路は通行止めになりましたが、翌2日には解除されたそうです。高速道路が無事であれば、物資も人も運ぶことができます。
ところが、能登半島の北部方面は国道、県道等の生活道路しかないために大渋滞になって、物資を届けたり、被災者を避難させたり、支援者を運んだりすることが大変滞ってしまったそうです。
その結果、倒壊建物の下敷きになった人への救援や、避難所への被災者の移送が遅くなってしまった可能性があります。そのために災害死や災害関連死が増えた可能性が高いのです。
もし片側2車線の高速道路が能登半島の先端まで伸びていたら、もっと網の目のように巡らされていたら、被害はもっと少なくてすんだに違いありません。「国土強靭化」を唱える藤井氏は、これは政府の「不作為の罪」であると批判しています。
私も前述のとおり、能登半島を支援チームで巡った時、海岸線沿いや山間部の片側一車線の道をダラダラと走ったことを覚えています。今回その中のいくつもの道が崖崩れなどで寸断されているのをテレビなどで見ると、藤井氏の指摘が正しいことを実感しています。
自然災害は災害そのものだけで被害の程度が決まるのではなく、社会状況や政策によって大きく変わってくる「人災」でもあるのです。
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