July 26, 2017

新刊!『臨床アドラー心理学のすすめ』

 新刊が出ます!
 
 8月1日だそうです。
 
 書いたのはいつもの3人と言われそうですが、そうなんです。
(Amazonから)

心理臨床場面で使えるアドラー心理学

現代でも通じる援助思想と,実践に応用できる手法を公開

アドラー心理学が流行っています。

が,本書は,脚光を浴びる以前から地道にアドラー心理学を臨床に取り入れ,活動を続けていた3人の臨床家によって書かれた,対人支援実践の入門書です。

自己啓発のイメージが強いアドラー心理学。ですが,アドラーは今でいう児童相談所を世界で初めて開設し,教育と医療と地域社会との協働的なアプローチを行なった生粋の臨床家でした。アドラー心理学は実直に広がり,さまざまな流派の心理療法と交わりながら,心理療法のベースとなるアプローチとして今もなお実践・研究がされています。本書もその一翼を担うものとなっています。

また心理臨床における重鎮の一人,箕口雅博先生(立教大学名誉教授)との座談会も収録。アドラー心理学と他の心理療法を統合を描き明日の対人支援の仕事をよりよいものにする1冊になっています。

(引用終わり)

 今回は、様々な臨床心理学関連本を手掛ける遠見書房が尽力してくれました。
 表紙がビートルズのアビー・ロード風なのが面白い。
 3人のシルエットは本人なのだろうか?
 
 これで臨床心理士関連の学会、研修会などで見つけてくれる人が増えることが期待できます。
 さらに秋にはアルテから臨床実践本が出る予定です。
 
 カウンセラー、対人援助職のためのアドラー心理学をさらに展開していきます。
 よろしくお願いします。
 

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July 22, 2017

国際アドラー心理学会体験記2

 ミネアポリスでの第27回国際アドラー心理学学会、たくさんある発表のうち、私が見に行ったものをいくつかタイトルだけ挙げておきます。私の意訳です。
 
・社会的に統合されていることと社会的責任についてのケーススタディー:アルフレッド・アドラーとライサ・エプスタイン・アドラー(注:奥さんです)のマイナスからプラスへの動き
 
・臨床実践において、どのように劣等感を扱うか?(パネルディスカッション)
 
・依存症的行動を超えて:劣等感、優越性追求と創造力
 
・:難民の子どもに関わる経験不足の教師についての考察
 
・劣等感と共同体感覚(エバ・ドライカースの講義)
 
・心理療法における患者の劣等感に対するセラピストの反応
 
・劣等感の表現としてのうつ:新しいアセスメントと治療法は必要か?
 
・4つの基本的なライフタスク:それは何か、なぜ重要か?
 
・5番目のライフタスクについて
 
・マーゴット・アドラー(アドラーの孫)の劣等感を克服としてのスターへの道
 
・劣等感、私的論理とアメリカの犯罪者リハビリテーションシステム
 
・ウェッブにおける劣等感:ソーシャル・ネットワークへの依存とFOMO(fear of missing out:取り残される不安)
 
・ADHDの二つの面:劣等感と共同体感覚の表現と関係性
 
・アドラー心理学と統合理論パラダイム
 
・力、優越性、克服への意思:全体性の追求について
 
 今回の全体のテーマが、「Inferiority Feeling : New Manifestations and New Approaches」と劣等感だったので、アドラー心理学の原点回帰とその現代的意義を考える、というものが多かったように思います。
 
 以前はドイツ、ヨーロッパ系のアドレリアンとアメリカ系のアドレリアンの対立みたいなこともあったようですが、何度か来ている人によると今回はそれは目立たなかったようです。お互いに歩み寄る姿勢がここ数年の努力であったようです。
 
 ただ、ドイツ、イギリス系の人の発表では、随所にウィニッコトとかスターンという精神分析家の名前も出たり、事例の表現の仕方にアメリカ人との違いがうかがわれて興味深かったです。
 
 ドライカースの娘さんのエバさんの発表では、さすがにスーパースターなので、会場にたくさんの人が入っていましたね。
 
 またヨーロッパではやはり問題になっているのでしょう、難民の教育問題があったり、サイバーいじめ、ネット依存、ADHDや自閉症など、現代的な問題にも取り組んでいる人達の様子もわかりました。
 
 いつかは私も発表してみたいです。
 
 次回は3年後、2010年、場所はなんとウクライナです。
 
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July 19, 2017

国際アドラー心理学会体験記

 第27回国際アドラー心理学会は7月10日(月)~13日(木)の4日間にわたって、ミネアポリスのセントトーマス大学で開かれました。
 
 会場のセントトーマス大学です。とてもきれいな校舎でした。
 
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 この棟の中が会場です。
 
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 受付です。
 
 最初のセレモニーでは、ミネソタのアドレリアンたちによる見事なアカペラ合唱が披露され、私たちを歓迎してくれました。
 
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 みんなスタンディングオベーションです。
 
 国際学会ですから参加者はアメリカだけでなく、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、オーストリア、スペイン、スイス、リトアニアと欧米の人たちが多かったのですが、韓国、台湾、中国、日本とアジア勢も目立っていました。特に台湾と中国の方たちは多かったようです。
 
 私は、韓国のアドラー心理学会のリーダーとその仲間の方と親しく食事をする機会が2度もありました。あちらからお誘いを受けたのです。厳密にいうと誘われたのは梶野さんだと思うけど。でもこういうの、なんか、うれしいですね。
 また、台湾の人たちに、私が台湾に本部のある伝統武術を学んでいると言ったら驚き、喜んでいただき、名刺交換が早速始まりました。
 
 そんなんだから参加者はさぞかし多いと思いきや、私の見るところ2、300人ぐらいのようでした。アメリカの大物アドレリアンは意外に少なかった印象です。
 
 ただ、ドライカースというアメリカのアドラー心理学の基礎を作った有名な人の娘さん、エバさんはいました。彼女も大物アドレリアンです。エバさんの講演会では、やはりホールにたくさんの人が集まっていましたね。
 
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 メインホールの様子です。学会長があいさつしているところです。
 普通のプレゼンは、大学内の各教室に散って行われます。
 
 プログラムを見ると13ぐらいのパネルディスカッションやシンポジウム、33ぐらいの発表がありました。4日もありますから、全体にゆったりした印象でした。私が入っている日本の学会だと週末、土日に詰めることが多いので、けっこうタイトな印象があります。やはり平日にゆったりとやるのがいいですね。
 
 発表は事例研究や理論研究、歴史研究が多かったようです。
 私が入ったプレゼンは次回に記します。

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June 30, 2017

『アドラー心理学を活かした学級づくり』

 アドラー心理学の真骨頂である学校教育の実践集です。
 山梨のアドラー仲間が2人も分担執筆をしています。
 
 
 文教大学教授の会沢信彦先生から献本いただきました。
 
 会沢先生、執筆者で山梨の仲間の佐藤丈先生、岩下和子先生、ありがとうございました。
 
 本書の面白さは、主に小学校において、ドライカースの有名な「不適切な行動の目標」の一つ一つを各章のテーマにして、そのようなケースに対して先生たちがどのように考え、対応したかが表現されていることです。
 
 教科書的な正しさを説くのではなく、先生たちの悩みや独白ようなところも書き込まれているので、学校現場のリアリティーが伝わってきます。
 
 中身の濃さの割に薄い本なので、先生たちに気軽に薦めたいと思います。
 
 

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June 13, 2017

『アドラーの教え』

 アドラーブームの中で、『嫌われる勇気』を除いて最もよく出ているのが、マンガ、コミックによるアドラー本です。
 
 既に何人もの日本の代表的なアドレリアンがコミック版アドラー本を出しています。おそらくたくさんくる出版社からの依頼に応えてのものでしょうけど、実際作るとなるとキャラクター設定からストーリーまで、けっこう大変みたいです。もちろん作画はプロの漫画家だし、編集者との共同作業の部分が多いのでしょうけど。
 
 そしてついに岸見一郎先生も出しました。
 
 
 昨年のNHKEテレ、「100分de名著」のスタッフと創り上げた作品のようです。
 
 哲学者で読書家の岸見先生は今は難しい本ばかりを読んでいるので、マンガを読むことはないようですが、「まえがき」でマンガを読みふけった子どもの頃を思い出したり、「皆で協力して仕事に取り組み楽しみや喜びを強く感じました。このように協力して一つの仕事を成し遂げる過程で、私たちは人と人とが結びついている感覚(共同体感覚)を知ったように思いました」と言っています。かなり満足感があるのでしょう。
 
 本書は喫茶店のマスターとそこを訪れるサラリーマン、お店のアルバイト女子やお客さんとのエピソードで構成されています。
 
 書斎にこもるのではなく、ウィーンのカフェで夜遅くまで友人とだべっていたアドラーですから、そういう設定はしっくりくるのかもしれません。
 
 シンプルなアドラー心理学は、一見してわかった気になったり、言葉巧みな一人の論者の言うなりになってしまう危険性があります。
 そこで、いろいろな切り口のアドラー本が出ることはとても重要なことと思っています。岸見先生も、岩井先生も、野田先生も、独特の文体、言葉の使い方、文脈設定の仕方があります。それは実はアドラー云々とはあまり関係なくて、それぞれのライフスタイルというか、業(カルマ)というか(笑)、思想レベルの違いの反映かもしれません。
 
 初めての方、アドラーマニアの方、是非、お楽しみください。
 

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June 09, 2017

『ミレイ先生のアドラー流勇気づけ保健指導』

 保健師、看護師が現場でアドラー心理学を使う時の格好のテキストが出ました。
 
 
 著者の上谷先生は今年2月の日本臨床・教育アドラー心理学研究会の大会で発表をしてくださった産業医です。とても気風がいいというか、クリアーな話しぶりの方なので、私にはその通りのイメージの本という感じでした。
 読むと明るい気分になれます。
 
 おそらく産業保健現場での共通の悩みは、健診結果などを見せて対象者に「指導」してもなかなか変わってくれない、ということみたいです。
 
 そもそもモチベーションが低い人たちが多いのだから、「メタボだ」「飲み過ぎだ」言われたくらいで「改心」することは少ないでしょう。私のその一人でした。本書でちょっと反省。
 
 そういうとき、支援者はどういう構えでいたらいいのか、ミレイ先生がやさしく、丁寧に、きっぱりと指導してくれています。
 
 特定検診・保健指導の制度がスタートして十年近くたとうする今だからこそ、「他人を変えるということをゴールに設定しない」「うわべだけのスキルやテクニックだけに頼らない方法」を提案したいのです。アドラー流保健指導は、相談者とともい現場で奮闘する支援者の皆さんを力強く勇気づけ、役に立つものになるでしょう。  p84
 
 本書の後半は、様々なケースに対しての、アドラー心理学的な考え方が示されていて、具体的でとても面白い。保健師さんたちの苦労が逆にしのばれました。
 
 保健指導という、これまであまり語られなかった領域にアドラー心理学が入っていくきっかけに本書はなるでしょう。
 

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June 05, 2017

朝日カルチャーセンターでアドラー心理学入門

 6月4日(日)は神奈川県藤沢に行って、朝日カルチャーセンター湘南教室で「アドラー心理学を日常生活に活かす」という講座をやってきました。
 
 昨年から始まったこの講座、単発で一回だけかと思ったら、朝カル担当者から「ぜひ続けたい」というお話をいただいて、今回で4回になりました。
 アドラー心理学といっても内容は多様なので毎回テーマを決めていこうということで、今回はおなじみの「勇気づけ」。
 
 参加者はいつも10人足らずですが、少ない分ワークを通してみんなすぐに仲良くなり、最近はリピーター的に何度も足を運んでくれる人もいます。
 
 私もカルチャーセンターの講師は初めてでしたが、多くの受講生が年配、高齢者の方で男女とも学びに貪欲な方たちです。私も啓発されます。
 私の講座だけでなく、朝カルの多彩な講座をいろいろ受けている人も多いようです。
 
 特別講座には内田樹先生や茂木健一郎先生、名越康文先生など錚々たる面々が来たり、古武術家甲野善紀先生の息子さんの陽紀さんの講座などが普通にあったり、メチャクチャマニアックな科学の講座(「ツバメの美しさと可愛さの進化生態」なんての)があったり、私がこの近所に住んでいたら絶対通いたいです。
 
 私としては山国から出て行くので、「今日は湘南で仕事だぜ」と、なんかプロサーファーみたいで、カッコつけられてうれしいです。会場の藤沢駅ビルのルミネから海は見えないけど。
 
 次回は9月16日(土)15:30~18:00
 テーマは、 「課題の分離」です。
 
 ワークとかどう進めたらいいかな。

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June 01, 2017

アドレリアン・プレイセラピーWS

 アドラー心理学に基づいたプレイセラピーで知られているテリー・コットマンさんが、来日してワークショップをするようです。
 
 アドラー仲間の哲学徒、橋口さんがブログで教えてくれました。
 
 コットマンさんの本は既にずいぶん前にここでも紹介しました。とてもいい内容なので、山梨の仲間と読書会をしていた時期もありました。
 
 昨年北米アドラー心理学会に行ったときは、コットマンさんの仲間、生徒さんらしい方の発表も見たことがあります。
 最近も、コットマンさんのアドレリアン・プレイセラピーをエビデンスのある心理療法として、ここでも紹介したこともあります。
 
 若い頃、児童相談所の心理判定員、児童心理司として、日々プレイセラピーをしていた時期もあったので、コットマンさんの仕事には大変注目していました。来日してお目にかかるチャンスです。
 でも学会、研修会の時期でお金のかかる時期で、大変迷っています。
 
 中年後期の今更、プレイセラピーでもないな、という気もするけど、スーパーヴィジョンに役立つかなとも考えたり…。
 
 行けたらサインをもらおう。
 
 招聘したのは、日本プレイセラピー協会というところらしいです。
 アドラー心理学以外の専門家が、注目してわざわざ呼んだというのも興味深いですね。
 
講座2「プレイセラピーの発展的なスキルと概念ーアドレリアンプレイセラピーの観点からー」
【日程】2017年9月16日(土)17日(日)
【会場】 東京都南青山を予定 (最寄駅は表参道)
【講師】Dr.Terry Kottman テリー・コットマン博士
 流派を超えて通用するプレイセラピーの応用的スキル(メタファーや解釈など) を学びます。
 講師は、今「嫌われる勇気」などで注目を浴びているアドラーの考えを取り入れたプレイセラピーを開発したコットマン先生です。
 構造的な遊びやアクティビティなど、より大きな子ども向けにも取り入れられる
要素があります。

【参加費】
 ・7月(シェルビー先生)の講座のみ
   2日間48000円 早割6月15日までのお申し込みは44000円
 ・9月(コットマン先生)の講座のみ
   2日間48000円 早割7月15日までのお申し込みは44000円
 ・2講座両方 2講座同時申し込み割引4日間92000円
   6月15日までのお申し込みは2講座割引&早割で86000円
参加条件、申込方法等、詳細は案内をご覧ください。

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May 29, 2017

『幸せな劣等感』

 日本にあるアドラー心理学本はできるだけ網羅しようと努めている私ですが、その中でトップクラスの質を持っているとお薦めしたいのが、向後千春著『幸せな劣等感 アドラー心理学 <実践編>』(小学館新書)。
 
 向後先生は教育工学や教育心理学がご専門なだけに、さすが伝え方が秀逸。一般の方にはわかりやすく、心理学に詳しい人や専門家にはその知的欲求に十分応える構成、内容になっています。
 
 よくある「目的論」とか~論の羅列ではなく、キーワードとQ&Aからの説明で、読者が入りやすく工夫されているからでしょうか。
 
 岸見一郎先生はギリシア哲学とアドラー心理学、岩井俊憲先生は人材育成や日常具体のアドラー心理学、向後先生は現代心理学とアドラー心理学、それぞれ実践を重視しながらも表現の軸足が違います。
 
 そういうところも楽しめるようになると、アドラー好きとしてはいいでしょうね。
 
 ちなみに私はもっぱら、臨床心理学とアドラー心理学を足場にしています。臨床は、向後先生みたいにスッキリ表現できないのが何とも難しいところではあります。
 

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May 19, 2017

真のアドラー心理学

 アドラー心理学の世界も狭いようで広く、実践者によっていろいろなスタンスがありますし、あり得ます。現在たくさんの団体、グループ、個人が活動していますが、それぞれ特徴があり、キャッチフレーズみたいなものもあるようです。すべてを直接知っているわけではないので、以下は長年アドラー心理学界隈に過ごしている私の主観に過ぎませんが、代表的なものを。
 
 一つは、 「正しいアドラー心理学」を標榜するところ。何が正しいアドラー心理学かを追求し続ける姿勢のようです。
 
 その志や良し。
 
 男子たるもの(女子の方が多いか)、一つの学問を究めるなら、そうでなければいけません。
 
 おそらくそこから発信される情報は質が高く、参考になる可能性があるでしょう。
 岸見先生とその著作が、最高のモデルだと思います。
 
 でもおそらくすべてのアドラー関係者が「自分は正しい」と思っているだろうから、正しさをうたう以上、「その根拠は何?」ということにはなります。私個人は、どんな分野でも一人のカリスマが牛耳っていて、その発言が根拠になっているようなところはダメだと判断しています。
 
 また、私がアドラーに限らずいろいろな運動体を見てきた経験では、「正しさ」を内輪でだけ言い合っているうちはいいのですが、社会的なムーブメントとして動き出したときに、妙なことをしだす場合もあります。
 
 そうすると、「あんたらの正しさって何?」「おいおい、大丈夫か?」という疑問や心配が出てきてしまいます。
 
 ドラマ『嫌われる勇気』を巡る日本アドラー心理学会の抗議に対して、私がこのブログビジネスジャーナルの取材であっさりと否定した時がまさにそうでしたね。あれは「正しさ」を稚拙に適用した例で、私はほんとに心配したのですよ。
 
 ただ、私は「正しさ」を原理主義的に追い求めることは実は支持しているのです。クリアーさには惹かれますね。そういうものも世には必要です。
 政治でも思想でも社会運動でも、原理主義は、全体のあるパーセントは存在しているものです。そこでは、カリスマに夢中になるような熱狂的な信者みたいな人たちが盛り上げています。基本冷めている私には、ある意味うらやましい。
 
 それに対して「寛容なアドラー心理学」をうたっているのが、岩井先生のところ。 「統合的」と言い方もしているようです。ペルグリーノ博士や岩井先生の雰囲気や人柄が、まさに寛容さを醸し出していて、実際そのために様々な分野のたくさんの人たちが集う大きなグループ、ネットワークになっています。
 おそらく日本のアドラー心理学関係では、一番多くの人が集まっているんじゃないのかな。私もその一人。
 
 寛容さがキーワードですから、穏やかで、適度に保守的で、あまり過激なことは言いません。大人の雰囲気がありますね。
 ある有名な臨床心理学者がその関係者の集まりに出て、「ここはほんとに健康な人たちでいい。臨床系は暗くて何言っているかわからん」とおっしゃっていたのが印象的でした。
 
 そのため社会的に受け入れられやすいのですが、横に広がりすぎて、いかに深めるかということで課題を持ちやすいと感じています。
 
 長々と何を言っているかというと、先日アドラー仲間と会って話していて、自分たちは何とするか、となったときに、上の二つではない、 「真のアドラー心理学」というのはどうだろう、と言った人がいたからです。 「しんの、あるいは、まことのアドラー心理学」ですね。
 その時は、ただ笑い合ったのですが、なかなかいいフレーズかもしれません。
 
 真のアドラー心理学は、時には「正しさ」を原理主義的に詰める一方で、時にはそれにこだわらずアドラー心理学が本来持っている寛容さ、鷹揚さも失わず、その精神の本質を探し続けようとします。
 
 そもそもいくら議論しても、「真」なんて、究極的にはわからないのだから、そういう姿勢を持つことで、絶え間ない対話に開かれているともいえます。
 
「正しさ」はどうしても判定的、評価的なニュアンスが出ますが、真理なんてないというポストモダンの時代だからこそ、「真」を出すことに開かれた意味が生じると言えるかもしれません。
 
 ということで、私は、真のアドレリアンを標榜しよう。

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