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これいいよ!

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February 25, 2021

『高岡式 超最強の疲労回復法』

 コロナ疲れ、コロナうつなど、新型コロナそのものはあんまり怖くないけど、それによる「新型ストレス」で社会も人もやられちゃっている現在、ムカつくことはたくさんあるけど、まずはセルフケアが大事です。

 不安をあおるマスコミや感染症学者や政府に殺されないためにも。

 心理学的にはリラクゼーション、生理学的には自律神経の調整に関することがポイントになると思いますが、私はそのための治療技法(自律訓練法とか筋弛緩法とか)はおとなし過ぎるというか、取りあえずの治療法としてはいいけど、物足りなさを感じていました。

 これで達人になることはできない。

 リラクゼーションを究極まで進めていこうと言う高岡英夫先生のアプローチが、私は大好きです。

 高岡英夫著『高岡式 超最強の疲労回復法~運動科学の第1人者が実践・提唱する真の回復とは』(株式会社カイゼン)を参考に、脱力の極意を学びましょう。

 本書の発想のユニークなところは、疲労とは疲れ具合がマイナスからゼロになれば終わり、というものではないというところ。

 普通の人や何らかのセラピーにかかわる人は、「疲労がなくなればいい、それが正常」と思うことが多いでしょう。

 しかしそれではより良い心身の状態、本当に快適で元気な状態になること、その結果である高いパフォーマンスをすることはできないと、高岡先生はいいます。

 疲労度がゼロから先、私たちがより良い状態になるための無意識的、潜在的な疲労をとらえ、解消することでさらに良い状態に達することができると、本書では主張します。

 私たちには、気づいていない疲労が心身の奥深くに存在しているのです。

 これを「プラスの疲労度」と本書では呼んでいます。

 そして、本書では疲労と心身の関係から具体的な方法や呼吸法まで、詳しく解説されています。

 方法は当然高岡先生が開発したゆる体操に依拠しています。ゆる体操はシンプルですから独習できないことはないと思いますが、数回はゆる体操の教室などで実際に教わって経験するとイメージしやすく、実践しやすくなるでしょう。

 ご希望があれば、私は自分がやっている心理臨床オフィス・ルーエでお伝えしています。

 資格は準指導員ですが、ゆる体操歴20年近くになります。

 すごく気持ちよくなれますよ。

 

March 10, 2020

『キレッキレ股関節でパフォーマンスは上がる』

 スポーツや武道、格闘技だけでなく、日常生活全般において、よい動きをするための最重要ポイントは股関節です。股関節を意識できて動かすことができれば、その人のレベルはグーンと上がること請け合いです。

 ただ、股関節はとても意識しにくい箇所といわれます。普通の人は自分の股関節をありありと感じることは難しいし、先ずできないと思います。

 イチローが打席に立つ前に必ずやっていた股割り動作や、力士の四股、太極拳や形意拳などの中国武術の気功(立禅、站椿)などの専門的トレーニングが必要です。

 そこで、高岡英夫先生の『キレッキレ股関節でパフォーマンスは上がる!』(KANZEN)は、誰でも股関節の意識を高めることができるための、理論とエキササイズがあり、お勧めです。

 私も自分の稽古の前に、本書にある股関節を感じるためのベーシックな方法をしています。型をしているときに股関節の動きが何となく感じられて、深いところから動いている感覚があります。また、普通に歩くときもとても快適です。

 とても効果的じゃないかな。

 新型コロナのせいで自粛、自重だらけの今、室内で過ごす時間が長くなっている人が多いと思います。こんな時は室内でできるトレーニングが必要です。高岡先生のメソッドは常にゆるむことベースなので、とても快適に取り組めると思います。

 

January 07, 2020

かかと落とし体操に形意拳

 最近健康雑誌などで取り上げられる「かかと落とし体操」、あの鎌田實医師が発案、実践していることで知られてきました。

 なんでも血圧と血糖値の低下、脳やさまざまな臓器を活性化する効果が高いとか。ご高齢の鎌田先生も自ら実践し、臨床例も多いとなれば説得力がありますね。

 【鎌田實医師も実践】かかと落としのやり方と効果 血圧を下げ病気を防ぐ健康体操

 NHK「ためしてガッテン」 脳を活性化!血糖値ダウン!新発見「脳ホルモン」SP

 とてもシンプルなので、誰でもできるのがいいですね。

「オステオカルシン」という骨ホルモンと呼ばれるものが、分泌されるそうです。

 私はこの体操を知ってからも実際に実践はしていないのですが、日々同様のことをしていることに気づいていました。

 中国武術の一つ、形意拳です。

 形意拳は基本的に、かかとを落としながら前進していくという特徴があります。一見シンプルのようで、非常に高度な技が内包されていて、歴史上達人を輩出してきた名門です。私ももし喧嘩をするとしたら、まず形意拳で戦うでしょうね。

 実は以前から、形意拳をやると筋骨が丈夫になる、太極拳もいいけど形意拳はさらにいい、という話を聞いていました。私も形意拳を学んで30年になりますが、確かにそれは自らの実感でもあります。心身が充実してくるのですね。きっと、かかと落とし体操のメカニズムが働いているのでしょう。

 中高年こそ、形意拳をやっていただきたいですね。

 この点に関してよい動画が見当たらなくて、他の流派の方のですが、こんな感じです。進みながら、拳を出しながら、かかとを落としていきます。

 シンプルな体操もいいですが、技としての動きの中でやるのもいいと思います。型を見て真似るのもよい脳トレになるような気がしますし。

 

July 26, 2019

武術的身体操法が世界へ

 古武術研究家・甲野善紀さんのご子息、陽紀さんはお父様の影響を受けながらも、極めてユニークなアプローチで身体の不思議を体感できるワークをたくさん開発しています。

 ワークの内容は、殴る蹴る斬るといったいかにも武術的な動きではなく、立つ、歩く、持つというごく簡単な日常動作ばかりなので、誰でも取り組めます。

 私も学んだことがありますが、とても興味深く、日常動作、稽古に役立っています。

 その陽紀さんが、NHKの国際放送、NHK WORLD に出演しました。

 動画として見ることができますので、是非ご覧ください。

 体験する外国人女性の驚きの表情が面白い。私も同じ体験をしました。それをスクールカウンセリングの勤務校で子どもたちにやったら、大受けでした。

 日本の医学情報に関するプログラムの後半、22分くらいからのご登場です。

 英語リスニングの練習にもなりますよ。

 The Road To Patient Safety

May 04, 2019

「間」を動かす

 ゴールデンウイークも10連休も、客商売の自営業には不要です。ぼちぼち予約はありますが、いつもより大分少ないので、商売上がったりです。クライエントさんたち、カウンセリングなんか来なくて元気に遊んでくれているのならそれはそれでいいですけど、なんか変な気を使ってくれる人もいるみたいで、「先生もお忙しそうだから、悪いから」と遠慮して入れない人もいるみたいです。気を使ってくれなくて全然いいのですけどね。

 さて、少し前に紹介した甲野陽紀著『身体は「わたし」を映す間鏡である』(和器出版)では、身体と言葉の深遠なつながりを学べます。甲野さんの仕事の素晴らしいところは、武術とかスポーツとかの特殊、専門的な動きではなく(それにも役立ちますが)、日常生活の何気ない動作を通して、「新しい身体の経験」を体験できることです。

 「注意の向け方」と「身体の動き」がどのように関係しているかを、甲野さん独自のワークを通して知ると、みんな一様に驚き、笑い声をあげます。その様子が楽しいので、私もスクールカウンセラーの勤務先の学校でメンタルヘルスの授業を頼まれて、試験の時の緊張対策を甲野さんに質問して教えていただいたやり方をやって、大いに盛り上がりました。

 例えば、相手に普段通りに立ってもらって、こちらは身体を左右に揺らして安定感を確認してもらいます。その後、「その立ち姿勢のまま、注意を指先に向けてください」と伝え、そうしてもらって再度身体を揺らすと、安定感がはっきりと増すはずです。ちょっとした注意の向け方で、身体の安定度がとたんに変わるのです。注意の向ける先は、指先以外にいろいろあると考えられています。

 本書の後半にそれらのワークの発展形として、お盆のワークがあります。

 二人が差し向いに一つのお盆を手に持って立ってもらいます。そして一方の人がお盆を前に出します。軽く押すわけです。もう片方の人は、自分に向かってくるお盆を受け止めます。それだけです。

 その時、押す役の人は次のように心の中でつぶやいてからお盆を出します。

A 自分が持っているお盆を出す
B 相手が持っているお盆を出す
C 相手と持っているお盆を出す

 やってみるとわかると思いますが、AとBでは、押すと相手からの抵抗感を感じて押せない、止まってしまう、こちらが相手より力があってもなんかスムーズでない感じがすると思います。

 ところがCは、「あれ?」というくらいスムーズに押せます。相手の踵が浮いて、後ろに軽く飛んでしまうこともあるかもしれません。なんか武術の達人になったみたいです。

 ある動作をする時に、どのような言葉を考えるだけで動きの質は大きく変わることを体感できます。

 甲野さんは、「ある物事を表現するコトバ(文章も含みます)が変わると同時に、自分の中の認識や物との関係性も実は変わってくるのです。ここが「コトバ」と「身体」の関係のとても興味深いところです。 p186」と述べています。

 アドラー心理学でいう「認知論」の原初的な表現がここにあるように思われます。さらに、AとBのように、自分あるいは相手に注意が向いているときは動きがスムーズでないのに対して、Cのように相手と共有しているところに注意を向けると動きが良くなるところはとても興味深いところです。これについて甲野さんは、

「つまり、そのお盆は相手と自分が共通して持っている物であり、相手のものとも自分のものともいえない中立的なもの」であり、「注意は自分や相手の一方に偏ることなく、その両方の共通項であるお盆そのものに向かう」ことがポイントと言ってます。

 つまりこの場合のお盆が、自分と相手との「間(ま)」になります。ここに注意を向けること。相手と対したとき、私たちは通常見えるもの、操作の対象となるもの、つまり自分か相手に注意が向いてしまうものです。しかし、過剰に一方に向けすぎると動きは効率的ではなくなってしまいます。

「間にある「共通のものに注意を置く」と、動きの質がいい意味で変わってくるのです。 p193」

 甲野さんは、この原理は、具体的な物を動かすだけでなく、人間関係にも敷衍できるのではないかと推論しています。

「相手でもあり自分でもあるもの。共有しているものを動かしてみよう。共有しているものを動かすなら二兎を得るということになるのではないか! p207」

 例えば親子関係ですれ違ったようなとき、「二択じゃない、三択目があるよと「ま」を示してあげる」ことを提案しています。

「物事と物事のあいだに、ある関係を見出そう、とらえようとした人だけに見えてくるもの、ともいえますから、その「ま」の性質を理解すればするほど見えてくるもの、… p210」

 家族療法のシステム論やアドラー心理学でいう「人間関係論」そして、「課題の分離」の「共通の課題」の意義を考えるときに大いに参考になると思いました。

 

April 28, 2019

『身体は「わたし」を映す間鏡である』

 最近私は、身体技法研究家の甲野陽紀さんの講座に出ています。毎月山梨の某所で行われているものに参加させていただいているのですが、毎回驚きの連続でとても楽しい体験をさせていただいています。

 注意の向け方、内言(心の中でつぶやく言葉)で動きの質や安定性がてきめんに変わるワークの数々はとても面白く、人の身体と意識の深遠な関係に気づかせてくれます。

 例えば、普通身体を安定させるといえば、足の裏に注意を向けたり、へそ下の下丹田を意識したりと、割と中心となるところを定めたり、軸や正中線などの言葉が飛び交いがちでした。これまでの身体技法のワークはそういったものを強調したものが多かったと思います。

 ところが甲野さんのワークは、身体の末端に注意を向けたり、同じ注意を向けるでも言葉の使い方(「見る」と「目線を向ける」の違いとか)でより良い動きができることを実感させてくれます。これはとても画期的な内容だと思いました。

 さすがお父様が有名な武術研究家・甲野善紀さんなだけに、陽紀さんは類まれな身体への感性を持っている方であります。

 お陰様で、私でも太極拳や推手(中国武術の組み手)の時に、自身では非常に良い安定感と強さを体感したり、相手にも感じさせたりできるようになりました。もちろん、まだまだですけど。

 甲野さんのワークは、単に武術やスポーツに使うだけでなく、日常生活で使えるものばかりなので、一般の方にこそ学んでもらいたいです。

 実際、私はスクールカウンセラーとして勤務先の中学校でメンタルヘルスの授業を依頼されたとき、緊張したときに心身を安定させるための技法として、甲野さんに教わったあるワークを教えました。あることをすると、瞬時に身体が安定することを体験できるので生徒さんたちも驚き、大変盛り上がりました。中には「神だ!」とふざけて叫ぶ子どももいましたね。普通スクールカウンセラーなどがする授業では、認知行動療法に基づいたストレスマネジメントの座学と、せいぜい簡単な呼吸法かマインドフルネス瞑想を紹介することが多いと思いますが、これは再現性が高く、ほんとにお勧めです。

 いつか日本心理臨床学会とか、最近作った日本個人心理学会でも紹介したいと思います。

 その甲野さんが最近出した本が、甲野陽紀著『身体は「わたし」を映す間鏡である』(和器出版)

 甲野さんの多彩なワークの片鱗が感じられる良書です。

 次回もまた、少し紹介します。

 

October 22, 2018

祓いと鎮魂

 では白川神道(白川伯王家)は、何を具体的にしているのか。なぜ、トランスパーソナル心理学と関わるのか。公になっているところで、簡単に説明します。

 神道ですから、核になっているのは「お祓い」「鎮魂」です。

 でもその中身は、一般の人のイメージとはだいぶ違うでしょう(私もそうでした)。

「祓いとは、4つの祓い言葉(三種祓、身禊祓、大祓、一二三祝詞)を奏上し、「空」の意識を作ることを目指している(仏教の悟りの境地と同様と思われる)

祓いによって、あらゆる罪穢れをを祓うことによって、意識が変容し、平安清明な心の状態を体感する。そして、過去も未来も内包した「中今(なかいま)」に意識を置けるようになり、中今から言霊を発動する」(当日資料)

 つまりお祓いは、神社で神主さんにやってもらうものではなく(別にそれでもいいですけど)、自らが意識の修行のために行うものなのです。自ら祓い詞と祝詞を唱え、自分と向き合う作業です。

 だから私も、長い祓い詞を覚えました。朝、仕事の前に、ある作法と共に唱えています。ちょっと変わった光景かな。まさか自分が、祝詞を唱えられるようになるとは思わなかった。

 そして、鎮魂は神道における重要な瞑想法です。

 鎮魂とは、一般的に死者の霊を慰める(レクイエム)ことを指すが、同時に生者の魂を鎮めることも含めている。

 鎮魂を行うことで、様々な感情や観念に囚われ分離してしまった魂(五魂)を統合し、神を迎える器・社(やしろ)をつくることを目指す。(当日資料)

 方法や細かいところは省略しますが、端的にいうとまさにマインドフルネス瞑想です。しかも仏教の瞑想とも共通点が多くありながらも、やはり和というか日本的というか、独特の味わいがあります。

 私自身、これまでいろいろなタイプの瞑想や意識変容法を体験しましたが、このお祓い、鎮魂をやると、速やかに意識がスッキリして、まさに平安清明な感覚になれるのです。「これはいいな」と実感したので、七沢研究所の人たちと研究や検討を重ね、世間に紹介するべく、今回の発表に至ったわけです。ここなら、瞑想好き、修行好き、スピリチュアリティに造詣の深い人、しかも学術的な理解のできる人が多いはずだからです。

 会長には諸富祥彦先生(明治大学教授)がいらっしゃるし。今回もめちゃくちゃ面白いプレゼンをしてました。

 私たちの発表の後には、占星術とユング心理学で著名な鏡リュウジ先生が登壇していました。ユングがいかに占星術に傾倒していたかを説明していて、とても興味深かったです。

 しかも私たちの発表の座長には、ケン・ウィルバーのインテグラル理論の紹介者・鈴木規夫先生が務めてくれました。私は若い頃ウィルバーのファンだったので、お会いできて大変うれしかったです。

 鈴木先生からは大変鋭く、しかし好意的なコメントをいただきました。

 私の知る限り、トランスパーソナル心理学のバックボーンはユング心理学とウィルバーの理論が中心で、実践的には各種サイコセラピーと仏教系の瞑想のハイブリッドだったように思います。

 そこへ足元の日本独自の瞑想と意識開発法を紹介したのは、新味があり、意義があったかもしれません。発表終了後、何人もの方が挨拶と名刺交換に来てくれました。

 これからも折に触れ、いろいろなところで紹介していきたいと思っています。

October 19, 2018

神道の深い流れ

 では、私たちは日本トランスパーソナル学会で何を発表したのか、その概要をお伝えします。

 一言でいうと「古神道」と呼ばれるジャンルです。神道にも流派、系譜というものがあるのです。それは現在の神社本庁が管轄していて、私たちが普段目にする神社とはやや異なり、現政権を裏で支えている、ある政治集団の国家神道的なものとも明確に違います。

 もっと日本の歴史の奥深くに根差したものです。そのエッセンスの部分はおそらく縄文にまでさかのぼり、民衆の信仰形態に影響を与えながらも、宮中でひっそりと伝えられてきた神道の系譜です。

 私もその存在を知り、学ぶまで、全く知らなかったので大変驚きました。

 白川伯王家、いわゆる白川神道(伯家神道)です。

 歴史的には平安時代、第65代花山天皇により、宮中祭祀を司る神祇官の長として任命されたのが、白川伯王家だったそうです。
「宮中内侍所、皇霊殿の奉仕、天子摂関等に御拝を伝授。全国の神社の統括」をしていたそうです。

 江戸時代には少しずつ宮中から外部にその内容が伝えられるようになり、あの国学者の平田篤胤が「学頭」を務めていたこともあったそうです。だから僭越ながら、平田篤胤は私の師匠筋(?)に当たることになりますね。

 それが幕末から明治の動乱期には、孝明天皇の命により、当時の白川伯王家の学頭・高濱清七郎が宮中を後にして京を脱出するというドラマがあったそうです。

 しかし明治5年に新政府は、神祇制度を廃止してしまい、宮内庁、神社庁を設置したので、白川神道は宮中に戻ることなく、細々と民間で伝承されることになりました。

 そして現在その命脈は、なぜか京都でも東京でもなく、山梨は甲府に残りました。甲府在住の七沢賢治先生が、明治時代からそっと伝えられてきた流れを継承していたからです。

 そのような歴史をまず、お話しました(発表者は私ではなく、渡邊氏)。会場は40人近くが集まり、みんな初めて聞く話に身を乗り出すかのように、大変熱心に聞いてくれました。

June 23, 2018

手当ての極意

 長谷澄夫『なぜ母親は、子どもにとって最高の治療家になれるのか?』(和器出版)により、著者が「和整体」と名付けるセルフケアの考え方をメモします。

 ちなみに著者が治療家の世界に入ったきっかけは、19歳の時の空手の稽古での大けがだったそうです。

 本書でいう健康になるポイントは、

 一つ目は、不調をいち早く察知する力。

 二つ目は、不調から回復する力。

 三つ目は、不調をつくらない、再発しない力。

 正常に働いてほしい機能というのは、この3つです。

 身体が発しているサインに敏感になる、ここが始まりです。  p59

 身体が敏感になるためには、「骨格が正常であることと、内臓が正しい位置にあって正しく機能していること」が重要とのことです。

 そして、セルフケアの基本は、「手当て」を文字通りに実践することです。痛みを感じる部位に手を当てて、深呼吸をすることです。とてもシンプルで、タイトルにある通り、お母さんの「痛いの痛いの飛んでけー」が理想です。

 母親というのは、子どもにとっては、最高の医者であり、治療家です。 p68

 恐るべきは母のエネルギーです。

 昔から〈手当て〉とよくいいます。文字通り、手を当てることです。どこか痛いところがあれば、無意識に痛みのあるところに手を当てます。あれは、人間の悪いところを治そうという本能からくるものです。・・・・セルフケアの〈手当て〉も、母親が我が子に対する〈手当て〉と同じです。  p73

 実際の具体的な技法や内臓の反射点という手当てのポイントは、本書にイラスト入りでわかりやすく出ています。

 心理臨床分野では、愛着障害の治療や臨床動作法などに通じるところがありそうに思いました。

 私が関係者から聞いた話では、著者の真骨頂は身体のレベルだけではなく、気や霊の次元にも及ぶそうですが、本書は一般の人たちへの整体的セルフケアの入門書としてとても優れていると思います。

June 21, 2018

『なぜ母親は子どもにとって最高の治療家になれるのか?』

 臨床心理学を生業にしていると当然カウンセリングや医療、福祉畑の人の知り合いが増えます。

 一方、太極拳や気功法も長くやっていると、東洋医学とかの代替医療のいわゆる治療家や関係者につながりやすくなり、たくさんの情報が集まってきます。
 私の生徒さんにも腱引き療法や整体をやっている治療家さんがいます。その人から「すごい人がいる!」と聞いていた治療家さんの本が出ていました。

 奇しくも懇意にさせていただいている七沢研究所のところからの出版ということで、手に取ってみました。

 長谷澄夫『なぜ母親は、子どもにとって最高の治療家になれるのか?』(和器出版)

 著者はその世界で有名らしく、治療家の先生みたいな人らしいです。「先生の先生」といわれたアドラー心理学のドライカーズみたいです。

 中身を見たら現代の科学的にもすごく全うなところを踏まえながらも、さすがそこを超えていく、または違う世界からの治療観や方法にも触れられていて、すごくおもしろかったです。こういうのが次の時代の標準になっていくといいと思いました。

 中身は次回少し触れます。

 

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