October 03, 2019

伝統中国武術演武会、開催迫る!

 私が30年以上お世話になっている全日本柔拳連盟の演武会が、10月6日(日)に開かれます。

 詳細はこちら。

http://taikyokuken.co.jp/news/2019Enbukai.pdf

 実は日本に初めて太極拳を紹介したのが、我が流派の創始者、王樹金老師です。1959年、昭和34年だそうです。前回の東京オリンピックよりも大分前ですね。今年はその来日60周年記念ということで、台湾政府の要人も臨席される予定らしく、大変貴重な武術が数多く披露されると思います。

 王樹金老師は中国の天津出身、戦後蒋介石と共に台湾に渡って、本物の伝統武術を守り続けていました。

 台湾政府から日本の人間国宝のような扱いを受けていたほどです。形だけではなく大変な強さで知られ、当時日本でも数多くの人から挑戦を受け、無敵の強さを示した上に、彼らを感服させた上で、数多くの弟子を育てられました。

 王老師から学んだ方の中には、武道を始め各界で著名な方もけっこういらっしゃいました。ご自身が公にしているところでは、極真空手の盧山初雄先生や西田幸夫先生がいらっしゃいます。

 作家のC・W・ニコル氏は、来日中の王老師の様子を著書に印象深く書き留めています。

 関心のある方、是非足をお運びください。

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September 09, 2019

『古の武術に学ぶ無意識のちから』

 武術研究家で著名な甲野善紀氏と、幸福学の研究者の前野隆司氏との対談本です。

『古の武術に学ぶ無意識のちから』(ワニ・プラス)

 この7月末に出たばかりです。

 徹底的なアナログの甲野氏と、実証主義で科学者魂を持つ前野氏との対話で、かみ合わないと思いきや、けっこう面白くてひきこまれました。それは知識人との対話に慣れている甲野氏の語りが哲学的な趣を持ち、前野氏も普通の心理学のパラダイムから飛び出そうという志向が強い方だからのようでした。関心が重なるのでしょう。

 そもそも甲野氏は、強くなりたいから武術を志したのではなく、「人にとって自由とは何か、運命とは何か」という解きようもない問いを人生の課題にして、それを解く手掛かりに武術を選んだので、こういう深い対談にはとても向いています。

 お二人とも楽しそうに語らっている様子がうかがえます。

 内容ですが、フローとかヒモトレとか、AIとか新宗教とか、出てくる話題は多彩で飽きることはありません。

 キーワードの無意識も本書に出てくるのは、精神分析学的な無意識でもなく、ユング的な無意識に近いですが厳密には違う気もします。あえて言えば、ポランニーの暗黙知とかミルトン・エリクソンの無意識観に近いものが感じられます。本書にもエリクソンの逸話が一つ出てきます。

 無意識の叡智を信じるという態度とそこから生まれる技術です。単にそれを信じるというだけでは足りません。武術ですから、できてなんぼの世界です。

「表の自分」と「そうではない自分」を操ることで全力で打ちかかてくる木刀をなんなく躱せるようになると、甲野氏は言います。最近会得した意識操作法だそうです。どういうことなんでしょうか。普通の型稽古の中にはそういう技もありますが、ガチで振ってくる刀をさばくのは容易ではありません。

 70歳を超えても高度な術理を求めて、体現してしまう甲野氏は凄いですね。ある人から聞いたことがありますが、甲野氏の良いところはそういう高度な技の体現だけではなく、稽古中に自分ができない、技が利かない場面になっても、素直に「利かないね」と認めて、威張らず、間違いから謙虚に学ぼうとする姿勢だといいます。

 とかく、武道家や格闘家は劣等感の裏返し、アドラー的には優越コンプレックスで、誤りを認めず威張る人が多いですからね。

 年をとっても若々しいお二人から、我々「後輩」も刺激を受けるでしょう。

 

 

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August 09, 2019

対人関係によい太極拳

 太極拳などの中国柔拳、内家拳をやっていると、「これは対人関係のレッスンとしてとても良い」と実感することが多々あります。

 臨床でいうと、クライエントにとってはストレスを感じた時の緩和法、リラクセーション法としてはもちろん、相手から攻撃的なかかわりをされた時の心構えを作ることができます。攻撃(と感じたこと)やストレスまともに受けるのではなく、フワッと受け止めて、受け流す感覚を身体感覚として身につけることができます。

 特に推手という実際に腕を触れ合い、技をかけあう練習法がそれに最適です。

 また、ゆっくり型を練ることはまさにマインドフルネス瞑想で、自らの心身を客観視することができるようになります。

 アメリカの文献を見ると、太極拳がトラウマ治療として採用されているのもうなづけます。

 同様のことはセラピストにとっても当てはまります。クライエントがどんなふうにやってきても、それを柔らかく受け止める感覚を身につけられます。

 太極拳家の河津康弘先生という方が、伝統的な太極拳の効用や稽古法について積極的に動画で発信していて注目しています。

 対人関係に効果抜群な太極拳マインドセット

 私もまったく同意見です。

 河津先生のところには、私のブリーフセラピーや催眠療法関係の知人の先生が学びに行っていて、その実力をうかがっていました。動画でも、太極拳を修めた人らしい雰囲気が伝わってきます。

  ただ、そのような効果を得るためには、型だけをやる簡化太極拳ではなく、推手や護身術などの伝統的な稽古法を取り入れたところで学んだ方がより良いと思います。型だけならマインドフルネス瞑想やリラクセーションになっても、強いストレスに対する感覚を養うことは難しいかもしれないからです。

 武術の対人コミュニケーションへの効用を知りたい方は、参考にしてください。

 

 

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March 22, 2019

女性老師の肖像

 いろいろ忙しくて、本の紹介もしたいのですが来週に回します。前記事の通り、明日から新潟県長岡市に行ってまいります。
 それで何を書こうかと思ったのですが、久しぶりに武術関連にしましょう。
 我が流派の老師の一人の動画がアップされていました。イスラエルのTV番組に出演されたみたいです。
 私は、日本に初めて太極拳を伝えた不世出の達人・王樹金老師の直系の弟子(の弟子)なのですが、この方は長い歴史の中で女性で最初の弟子になった方です。演武を拝見したことは何度もありますが、とても優雅で力強く、魅了されます。特に剣や槍の演武が素晴らしかったですね。
「戦地」イスラエルで、護身、健康のためにたくさんの方が学んでいる本格的な武術です。


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January 22, 2019

『拳児』復活していた

 30年近く前、武道少年たちを熱くさせたコミック『拳児』が、『拳児2』として復活したらしいです。今発売中の『秘伝 2019年2月号』(BABジャパン)で知りました。

 サンデーうぇぶりで先日まで読むことができましたが、今探したら消えていました。どうしたことでしょう。期限があったみたいです。

 中国武術、日本古武術を広く紹介した故松田隆智先生が原作で、「本物」の武術を少年たちに知らしめた偉大な作品でした。

『少年サンデー』連載で、当時既に20歳を超えていた私は、もうサンデーの読者ではなかったし、既に中国武術を始めていたけれど、これだけは読んで全巻揃えていました。今も実家には大切に並べてあります。

 ほとんど武術に関する学習漫画で、私もすごく刺激になりました。私より下の世代の方は、かなり影響を受けたでしょうね。

 松田先生は亡くなってしまったけれど、作画の藤原秀芳先生を中心に新しい体制で始めたようです。今発売の『秘伝 2019年2月号』誌に藤原先生のインタビューが載っています。

 連載当時小学生だった拳児はもう30代後半、大人になり、八極拳の達人になった彼に会いたいですね。

 是非、単行本化を希望します。

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December 12, 2018

柳生新陰流を学ぶ

 12月1日(土)は甲府の緑が丘スポーツ公園の柔道場で、知人が主催した古流剣術の稽古会に誘われて、見学兼体験に行ってきました。

 日本の古武術をやるのは初めてです。

 講師の高無宝良先生は宮本武蔵の二天一流と柳生新陰流を修め、中国武術も学んだことのある、若い(若そうに見える)気鋭の武術家でした。でもとても穏やかな人で、好感を持ちました。

 こちらはど素人ですから、皆さんに交じって新陰流の基本を教わりました。名称も聞いたけど、メモも取らなかったから忘れてしまいましたが、基本ながら実に精妙な動きの技で感銘しました。

 二人が袋竹刀で中段で向かい合い、正面からスススッと近づき、お互い斬り下しながら、刃筋一つ外して胸部腹部を斬る技は、体験すると型とはいえヒヤッとします。一見すると地味ですが、それゆえにこそ実戦性を感じました。

 小野派一刀流の「切り落とし」と同様の技とのことでした。

 私的には形意拳の理合いと共通のものを感じ、大いに参考になりました。

 今更本格的に剣術を学ぶことはないと思いますが、高無先生は山梨や各地で講習会をしており、自由に参加できるみたいですから折に触れて学んでみたいと思いました。

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November 29, 2018

古武術 in 甲府

 もう日が迫ってきましたが、知人が甲府で面白い講座をやるのでお知らせします。

 古武術に学ぶ in 甲府  

 あの宮本武蔵の二天一流を継承する武術家による教室です。

 私ものぞいてみようと思います。

 今からでも申し込み可能です。

 是非、ご参加ください。

(転載貼り付け)

 ★好評につき第二弾開催★
宮本武蔵の剣術技法である二天一流と二天流をともに修め、国内外で活躍する武術家である高無宝良先生のワークショップです。
激しい動きはありません。武道やスポーツ経験の有無なく、どなたでも楽しめる内容です。
剣術の中で養う所作や身体感覚を磨くさまざまな動きを行い身体を練ってゆきます。
世界各地で教える高無先生のクラスは新鮮な驚きとユーモアに溢れています。心と身体のつながりを感じることができ、またここで得た身体感覚や「古武術の身体のはこび」は、日々の暮らしの中に活かしていけることでしょう。

【第一部 :武術に伝わる古来からの修法で身体智を磨こう!】
身体に負荷のかからないボディワークを中心として学んでいきます。日常の所作や健康づくりに活かせる内容であるとともに、室町時代以降の日本でどのような身体智が練られていったかを、自らの身体でもって知ることのできるクラスになります。

【第二部 :古流剣術の基礎】
木刀を使って二天一流をはじめとする剣術の基礎を学びます。第一部で養った身体性の延長線上に、手にする木刀もまたあることを感じることができ、そこから剣術がどのように成しうるのか体験できるクラスになります。

*第一部は前半2時間、第二部は後半2時間です。第一部、または第二部のみの参加もできます。まずは第一部を受けてみてから第二部を受けるか決めることもできます。


★日時と場所   
2018年12月1日(土) 5時-9時 
(第一部:5-7時、第二部:7-9時) 
場所は前回と同じく、緑が丘スポーツ公園 2F 柔道場 です。
 https://www.sports.pref.yamanashi.jp/shisetsu/index.php?content_id=3

★料金:第一部、第二部とも各2,000円 (通しは4,000円)
 *大人向けの内容ですが、10歳以下のお子さんは親御さん同伴のみ参加でき無料になります。

*2日昼には北杜市でも同内容で行いますので、興味があるけど都合がつかないという方はそちらもご検討ください。https://www.facebook.com/events/314501732680614/

<講師から一言>
古来日本人はその環境と歴史の中で独特の身心観を形作ってきました。
武術、そして日本剣術もまたそれら身心観の一つの大きな結晶であります。
武術には天地自然と繋がりまた人と人とが結ばれるというこの世の中心的課題への探求が凝縮されています。中でも剣術は、刀という洗練された用具を「もっとも初めて出逢う他者」として媒介とすることで、重力や気圧、心理的動力を含めた諸要素への調和の仕方を体得するのに顕著な効用があります。
合掌と同義であり、身心の収斂統一を促すところの両手持ち剣術を体験することで、この世界・自己・他者との「うるわしき出逢い直し」を感じていただければ幸いと存じます。

<講師プロフィール>
高無宝良(TAKANASHI Takara)
幼少期より各種格闘技、武術をたしなむ。平成11年より、山東派八代青木規矩男の高弟稲村清師範に師事し二天一流を学ぶ。のちに加えて小林盛夫(人間国宝五代目柳家小さん)の伝えた小倉藩伝二天流も学び、武蔵の技術の変遷を研究する。平成21年、古武道学舎清風会を発足。平成22年より小用茂夫師範のもと刀禅を学習。平成23年、新陰流兵法(疋田派)山本篤師範より同流指導の許しを得る。平成27年、ユーラシア大陸横断を機に団体名を古武術是風会に改称。自らの武術修業に励むとともに、欧米やアジア各国でも指導するなど国内外で伝習に精力を注いでいる。

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October 02, 2018

ワークマンでカンフーシューズ

 作業服で知られるワークマンが新機軸を打ち出して、売り上げがどんどん伸びているといいます。

 安くて丈夫、機能的な品質がアウトドアを好む人たちに受けているらしいです。アウトドア用品も専門店は高いですからね。

 作業服の「ワークマン」が始めた新業態に若い女性が殺到する理由

 実は私も長いことワークマンのお世話になっています。

 もちろんカウンセリングで作業服というわけにはいきませんが、中国武術の稽古時に履いている靴はいつもワークマンで購入しています。

 足袋靴とか作業靴とよばれるものです。

 こんなの とか こんなの

 カンフー映画とかで見る中国製の布靴は「カンフーシューズ」という名で靴の量販店や中国物産店で売られていますが、安いけど滑りやすく壊れやすかったり、底が薄くて履き心地があまりよくありません。

 その点この靴は滑りにくく、底の厚さもちょうど良いです。

 特に歩きながら急ブレーキをかけるような身体操作の形意拳にはうってつけでしょう。
 舞台で表演する太極拳家がよく履く革製のカンフーシューズは値段が高めだし、屋内スポーツ用の靴もあまり中国武術には合わないのですね。この作業靴は実にリーズナブルで実用的、実戦的です。
 おまけに、実際に作業する時にももちろん重宝します。先日ある修理でこの靴を履いて実家の屋根に上って瓦の上を歩いたら、さすが、全然滑らず具合よく歩けました。鳶職の方の気分になれましたね。
 お勧めです。

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April 13, 2018

『太極拳全』再版!

 我が師による太極拳の基本テキストが長らく絶版中でしたが、この度再版されました。
 
 
 私は20歳のころからかれこれ30年以上、正宗太極拳99勢という長い太極拳を学んできましたが、全然飽きないでいます。1920年代、南京中央国術館において、当時の太極拳の有名流派を統合してできた太極拳で、いわゆる伝統拳のエッセンスが詰まった素晴らしい型です。健康によいのはもちろん、護身術としても完成度が大変高いといえます。
 
 私が始めたのは若い頃だったので、別に健康志向ではなく、ひたすら強くなりたい一心でいた時に出会いました。特別熱心な生徒ではありませんでしたが、太極拳をすることで得られる気持ちよさと武術的効果が気に入って、今に至っています。
 
 50を超えた最近はさすがに強くなるのはどっちでもよくなって、健康志向寄りになっていますが、このまま死ぬまでこの太極拳を練っていくことになるのでしょう。
 
 一生できるのが太極拳のよいところですね。
 
 本書はその基本テキストです。
 
 売り切れ中の時期は、Amazonのマーケットプレイスでなんと2万円にもなっていましたが、ようやく適正価格で買えるようになりました。
 
 本書だけで太極拳をマスターすることはできませんが正宗太極拳の連続写真や、その歴史、技の解説と内容が豊富で(その分厚いですが)、前記事の王樹金老師のお写真もたくさんあり、資料的価値の高い本です。
 
 「本物」に関心のある方、是非ご覧になってください。
 
 

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April 09, 2018

達人は達人を知る

 フルコンタクト空手の元祖、老舗といえばいわずと知れた極真空手ですが、その中でも現在の極真空手道連盟極真会館館長・盧山初雄氏は最も知られた人でしょう。
 
 若き日は必殺のローキックであまたの試合に勝ち抜き、栄光を得ながら、極真空手以外にも積極的に学び、強烈な剛の空手で知る人ぞ知る中村日出夫氏(甲府に道場を構えていたそうです)や太気拳の沢井健一氏に師事しました。70歳になる今でもひたすら武道修行に邁進しているすごい人です。
 
 その盧山先生が、私の太極拳の師の師、王樹金老師を絶賛しているのが『月刊 秘伝』(2018年4月号、BABジャパン)に載っていたので、記念にメモします。盧山先生の半生をたどる特集記事の一部です。
 
 一般に剛の空手家は、あまりにも柔の太極拳は認めないか理解しないものですが、良いものは素直に認める度量を持ち、そこからもどん欲に学び取ろうする蘆山先生は、意外に狭量な人が多い武道界で稀有な存在です。
 
盧山 私は王樹金先生から直接、太極拳の型や五行拳を習っていたんですよ。あれほど型ができる人はいまだに見たことがないですね。手から発する気が納豆みたく糸を引くようで、身体も上下左右に自在に動く。今ではもう会いたくても会えない名人の方々との縁に恵まれ、私は武道家としてめったにないチャンスをいただいたと思います。  P26
 
 澤井先生のように質問したり、実際に手を交えさせていただいたということはありませんでしたが、王樹金先生は型を通じて、“やっぱり、この人は凄いな”と思いました。そこに居ない敵が空間に見える、三次元的な方(演武)なんですね。あの手の感じは今でも忘れないです。
 p35
 
 王樹金老師の貴重な動画です。
 
 
 

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